ヒトは眠らないとどうなるか

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ラットの場合は、3~4週間で、敗血症を起こして死んだそうです。 免疫の異常が原因だと考えられています。

ヒトの場合、信頼性のある記録は、ランディ氏の264時間(11日間)で、精神的な障害を起こしたものの、身体的な症状は出ませんでした。 その後、十分な睡眠を取ることで、完全に回復しました。

natgeo.nikkeibp.co.jp

では、何時間の睡眠が適切か、という点については、ある研究によると、1日7時間未満、特に1日5時間未満の場合に、死亡リスクが増えるそうです。 その研究では1日8時間以上でも死亡リスクが高まるとされていますが、それは統計上の結果であり、抑うつ症状などによる身体活動の低下、癌に関連する疲労を有している集団の睡眠時間が長いためのようです。長時間睡眠の集団の死亡要因は、主に非心血管系の死亡であるとも述べられています。

Sleep Duration and All-Cause Mortality: A Systematic Review and Meta-Analysis of Prospective Studies

短時間睡眠は高血圧のリスクが高い、長時間睡眠については高血圧との関連が認められないという研究もあります。

Epidemiological evidence for the link between sleep duration and high blood pressure: a systematic review and meta-analysis. - PubMed - NCBI

一方、長時間睡眠はホルモン関連がん(乳がんなど)との関連が低く、大腸がんとの関連が高い、という研究もあります。

Sleep duration and cancer risk: a systematic review and meta-analysis of prospective studies. - PubMed - NCBI

脳では、グリア細胞がリンパ系の代わりを行なっているとされ、グリア細胞であるアストロサイトとミクログリアが食作用のような働きをすることがわかっています。

食作用 - Wikipedia

マウスによる研究では、慢性的睡眠不足グループでは、アストロサイトやミクログリアが活性化していたそうです。 つまり、脳神経同士を繋いでいるシナプスが余計に食べられていたそうです。 また、ミクログリアの活性は、アルツハイマー病などに関連していることが明らかになっているそうです。

wired.jp