アデリーペンギンについて集めたあれこれの情報をまとめています。 ペンギンはクラゲを食べます。
食べる
素早く泳いでオキアミの群れの中に乱入し、最大で1秒間に2回の速さで餌のオキアミをゲット。さらに、氷の下に張り付くように潜んでいた魚に近づき、素早く食らいついていく。
魚はほとんどがボウズハゲギスという種類でした。この魚はいつも海氷のすぐ下を泳いでいる変わった生態の持ち主です。ペンギンは約85分の記録時間の間にオキアミを244匹、あるいは氷の下のボウズハゲギスを33匹も食べていました。オキアミの群れに遭遇したときは目にもとまらない速さで1秒あたり2匹も捕えていました。
一回の潜水中に捕獲したオキアミの数はばらつきがとても大きく、ペンギンにとってオキアミは当たり外れの大きい、予測の難しいエサであることを示しています。いっぽう氷の下のボウズハゲギスは、一回の潜水中に捕えた数のばらつきが少なく、安定したエサ資源であることがわかりました。
アデリーペンギンが海中でクラゲを捕食する姿が撮影されたのだ。この映像を見て、ペンギン研究者は衝撃を受けたという。クラゲは水分が多く、カロリーも栄養もほとんどない。そのクラゲを、主食のオキアミの次に、魚よりも多く食べているとは、それまで考えられていなかったからだ。
待つ
深度データを解析すると、まずペンギンは 3 月に換 羽のために 18 日程度全く潜水をしない期間があるこ とが分かった。この間は海氷上で飲まず食わず、ひた すら羽根が生え換わるのを待っているらしい。
換羽期間以外の季節では、ペンギンが潜水するのは主に日の 出から日の入りまでの時間に限られていた。そのため、 日長時間が短くなる真冬(6-7 月)の期間には、一日のう ち-2-4 時間程度しか潜水をしていなかった。
また記録計の着水のデータによると、潜水していない夜の時間 のほとんどをペンギンは海氷上に上がって過ごしてい た。
移動する
位置データと深度データをあわせて考えると、アデ リーペンギンは越冬期には海氷上で過ごす時間が多い ために、海氷が動くのに合わせて「漂流」しているら しい。
一方で、3000km 以上もの距離を移動して繁殖 地に戻るために沿岸で西向きに、沖合で東向きに流れ る海氷の動きをうまく利用しているようにも見える。
南極大陸で繁殖するアデリーペンギンは、冬にはす き間無く海を覆う海氷や一日中太陽が昇らない極夜を 避けるために、北へ向かって長距離を移動する必要が あるようだ。
2 月に昭和基地を離れるとまず 5 月ごろまで 大陸沿いに西へ向かい、その後北へ移動、8-9 月頃から 東南に向かって昭和基地に戻るというルートで移動し ていた。これは海流や風の働きによって、大陸の沿岸 近くでは西向きに、沖合では東向きに流れる海氷の動 きと一致している。雛を育てている時期には、繁殖地 から十数キロの狭い範囲で行動しているアデリーペン ギンだが、子育てを終えたあとには往復 3000km 以上 もの距離を移動してから前年と同じ巣に戻ってきてい たわけである。
歩く
アデリーペンギンの場合、 歩く速さ 0.6m/s(時速2キロくらい) 腹ばいで滑るときの速さ 0.8m/s (時速3キロくらい)
泳ぐ
泳ぐ速さ 2.0m/s (時速7キロくらい) 瞬間的にはもっと速く泳ぐこともできますが、 だいたいこのくらいのようです。 4kgのアデリーペンギンは 最高170mまで潜った記録があります。
子育て
巣は、海岸地帯の地肌が露出している場所に小石を積み上げて作る。 より高く積み上げた巣の方が繁殖の成功する可能性が高い。 巣は、クチバシでつつき合えるくらいに隣の近くに作られる。
繁殖地に10万ものペンギンが集まると、巣作りに使える小石はたちまち不足してしまう。 近くの巣や放棄された巣から石を盗んでくる。この盗む行為は頻繁に行われている。
・(繁殖期)10〜2月までの短期間。 生まれた繁殖地に戻ってくる。内陸に100km以上移動してコロニーに到着する。 コロニーには最大50万羽もの個体がいる。 ツガイの絆は非常に強い。アデリーペンギンにとって巣は再会の場である。
・(産卵期)11〜12月初旬。1ヶ月以上にわたる。 コロニー到着後12日で産卵が開始。1回の繁殖で2個の卵を産む。 つがいの両方とも約3週間の絶食をしている。
・(抱卵期) オスが最初の抱卵を担当する。コロニー到着時のオスの体重はメスよりも重い。オスは、メスが採餌に海へ行っている間、4〜6週間の絶食を耐えるだけの体力を持っている。 強烈な吹雪になるとアデリーペンギンは雪に埋もれてしまうが、卵を抱卵し続ける。
アデリーペンギンは、足の上で抱卵する点が皇帝ペンギンとキングペンギンに似ているが、直立して抱卵しない点が異なる。他の種のペンギン同様に、卵の上にかがみ込んだ腹ばいの姿勢で、卵を覆うようにする。
・(クレイシ期) 孵化後も、22日間は、親鳥が交代で世話をする。 ヒナは、3週間ほどで綿羽が生えかわり、クレイシを形成する。クレイシは5〜20羽の小規模からなる。
・(巣立ち) 気候が安定していて、餌が豊富な年には、ヒナが2匹育つ。 ヒナは、約7〜8週間でコロニーから巣立ちする。